腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは?

背骨の中には神経と血管の通り道があり、これを脊柱管といいます。脊柱管内には硬膜に包まれた髄液がながれ、その中を神経と血管が走行しています。
その脊柱管を構成している、骨、関節、椎間板、靭帯などが、年齢による変化で肥厚し、神経や神経の血行を圧迫し症状を出す疾患です。

あなたは腰部脊柱管狭窄症でしょうか?

√ しびれや痛みはしばらく歩くと強くなり、休むと楽になる。(5点)
√ しばらく立っているだけで、太ももからふくらはぎやすねにかけてしびれたり痛くなる。(5点)
√ 年齢は60歳以上(4点)
√ 両あしの裏側にしびれがある。(3点)
√ おしりのまわりにしびれがでる。(3点)
√ しびれや痛みはあしの両側にある。(2点)
√ 前かがみになると、しびれや痛みは楽になる。(1点)
√ しびれはあるが、痛みはない。(1点)
√ しびれや痛みで、腰を前に曲げるのがつらい。(-1点)
√ しびれや痛みで、靴下をはくのがつらい。(-1点)

★当てはまる項目が13点以上の場合、腰部脊柱管狭窄症の可能性があります。

腰部脊柱管狭窄症の症状

    1. 腰痛
    2. 神経症状1
      ・臀部から下肢にかけての痛み
      ・脚が重い、つま先が持ち上がらない
      ・スリッパが脱げやすい、つまづきやすい
      ・脚のしびれ、冷感、灼熱感
      ・間欠性跛行※2
    3.  膀胱直腸障害
      ・残尿感、頻尿、便秘

※1 神経症状

  • 神経根型  下肢痛・坐骨神経痛・臀部痛・下腿こむら返り
  • 馬尾型     両下肢しびれ・下肢脱力・排尿障害・足底の異常感覚
  • 混合型   神経根型・馬尾型の症状

※2 間欠性跛行とは?

安静時には症状がないか、もしくは何らかの下肢症状があり、歩き続けていると下肢の痛みやしびれ、脱力感が増強して歩きにくくなったり歩けなくなり、前かがみになって休憩することで症状が軽減し、また歩けるようになる症状です。
腰部脊柱管狭窄症

<間欠性跛行 歩行時の注意点>
歩行時の姿勢は、直立位(後屈位)ではなく前屈位で、歩幅は小さくゆっくり歩くことを心掛けてください。

腰部脊柱管狭窄症の主な治療方法<保存療法と手術療法>

保存療法

■安静(動的要素の軽減)長距離歩行の禁止(散歩など)・家事の制限
↓リラックスした状態で1日1~2回 30分

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■運動療法
↓ストレッチ:リラックスした状態で膝を抱え込み、両膝を胸に近づけて5つ数えましょう。これを10回繰り返します。

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↓腹筋運動:10回 1セット 1日2回(週3回)行ってください。

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■薬物治療
非ステロイド坑炎症薬・神経障害性疼痛治療薬(プレガバリン)・血管拡張血流改善薬・オピオイドなどの服用
痛み止めは漫然と使用しないこと!

■神経ブロック療法
神経の痛む箇所に麻酔薬を注入し、神経を麻痺させて痛みをとる方法です。 約60~70%程度の確率で症状の改善が見込まれています。
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手術療法

■手術療法の適応
・保存療法で改善しない疼痛
・進行性の麻痺
・5分以内の間欠性跛行
・膀胱直腸障害

■手術法
・不安定性が無い場合→徐圧術
・不安定性を伴う場合→徐圧術+固定術

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佐々総合病院 整形外科
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